河合美智子さん『60日間改善リハビリ』に挑戦

1クール16回でどこまで変わる?<前編>


2016年に脳出血を経験した河合さんが、『脳梗塞リハビリセンター』でリハビリをする様子をYouTubeで配信しています。ここでは、その様子をダイジェストでお伝えします。前編は[ 初回体験~リハビリ1回目~リハビリ8回目 ]です。


 




初回体験の様子 ~まずは目標設定!~


脳梗塞リハビリセンターの初回体験は、最初に、カウンセリング(30分)→鍼灸師による施術(60分)→理学療法士によるリハビリ(60分)を行います。当センターでは一つ一つの施術(リハビリ)をどういう目的で行うか、の説明も大切にしており、ご自身の状態や、目標達成までのステップを、ご本人やご家族にもしっかりとお伝えしながら目標設定を明確にしていきます。


 


<リハビリ実施前の河合さん~カウンセリング>


河合さんは、2016年に発症した脳出血の後遺症で右片麻痺があります。自立歩行はできますが、傾斜や砂利道などの不整地(ふせいち)ではバランスが崩れたり、動けなくなってしまいます。また、今年の夏前に、振り向こうとして転倒して腰椎骨折してしまいました。前後や横に注意が逸れることや、斜め後ろなどを向くことが苦手なのです。骨折後は、さらに筋肉が固くなっている感じがして動かしにくさを感じている・骨折前と比べて足があがらなくなったという感覚がありました。


カウンセリングを通じて確認した目標…それは…



「どんな道でも変わらず行けるようになりたい!」



ということでした。不整地を自信もって歩けるようになるために、現在のお身体の状態を確認し、リハビリでクリアしていくべきことを明確にしていきました。


 


<いよいよリハビリ体験!>


リハビリ前の歩行状態を撮影した後、鍼灸施術へ。「鍼灸がもともと好き!ゆるゆるにしてもらお!」と楽しそうに語る河合さん。鍼灸師が、悩みや日々の細かな身体の不調を聞き取りながら施術をすすめます。転倒で動かしにくくなった腰回り、歩いているうちに指がまがってきてしまう足先(内反)を伸ばしやすくするためふくらはぎ周辺を重点的にケアしました。



「気持ち良すぎてどうしよう!このまま寝たいくらいだけどリハビリがんばります(笑)」「きゅっと縮こまっていた身体ががほぐれた」



…とのことでした。


その後、鍼灸師から理学療法士に引継ぎをした上で、リハビリを進めます。最初に、足の感覚をチェックしたところ、やや鈍いことがわかります。柔らかい面での歩行もチェックしてみました。すると、不整地になると、バランスをとろうとして全身に力が入り、足裏の感覚がすっぽり抜けてしまい、どこに体重載せていいかわからない状態になってしまうと明らかになりました。こうした状況確認を経て、理学療法士が重心のかけ方などを修正する施術を行っていき、終わり頃には、



「初回でどこに重心をのせればいいのか、その感覚がわかった!!」



とすっかり目から鱗状態の河合さんでした。そして、“足首回りのグラグラ”・”上半身のバランス”が次回以降の課題となりました。


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「歩行改善」を目標に週に2回の通所リハビリ(60日間改善リハビリ)開始!


■リハビリ1回目


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1回目河合さん


その日のコンディションとこれまでの経過に合わせて行う鍼灸施術では、初回体験を終えて軽い筋肉痛が出たことへの対処と、前回からの課題である右の足の固さに対してアプローチしました。


続いて理学療法士によるリハビリの時間は、初回体験時の状態・目標設定をもとに作成した『初期評価シート』を確認し、幾つかある目標の優先順位の確認なども進めました。「ものを持った状態で歩けるようになりたい」という目標も、優先度が高いことを再確認しました。


さらに、河合さんのお身体の状態をより知るため、施術に加え、様々な評価を行いましたが、歩行のスピードなどについて、好成績を連発する河合さん。一転、バランス・片足立ちのテストなどでは課題が見えてきました。


不整地でも歩けるようになるためには、「バランス感覚」を強化することがキーポイント!


その後は、リハビリで取り組んだことに対してトレーニング(30分)を行って定着を図っていきます。さらに、自宅でも取り組んでいただく自主トレーニングの正しいやり方をレクチャーします。宿題をリハビリに来ていない週5日にもしっかりやっていただくことが改善への近道なのです。


 


 


■リハビリ2回目


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2回目


リハビリの方向性をより精緻に決めるべく、2回目は、関節の可動域や感覚、反射の状況など、身体機能をチェックしていきます。


鍼灸施術の際、靴ひもを結んでいた時にぎっくり腰のようになってしまったとのご相談がありました。腰痛は鍼灸師の得意分野なので、麻痺側・健側両方に鍼・灸、さらにはパルスを使ってしっかりとケアしました。結果、怖い感じ(恐る恐る動かす)がなくなり背屈もスムーズになりました。


理学療法士によるリハビリでは、苦手な面を浮き彫りにしより詳しくお身体の状態を見極めていきます。様々な評価を経て…リハビリの3大ポイントが明確になりました。


<課題①>足首の動きのコントロール(できないから感覚鈍くなっている)


<課題②>揺れのコントロール


<課題➂>足首の柔軟性(不整地に対応できない)


 


運動トレーニングの時間は、前回からの自主トレーニングが正しくできているかをチェックしていきました。安定性がやや増していて自主トレの成果は出ている様子です。重心を正す運動をして終了しました。


 


 


■リハビリ3回目


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3回目


鍼灸では、常に「腰」に負担をかけすぎている感覚があり嫌な感じも残りやすいという自己申告があり、細かく痛みや違和感の原因を探りながら施術していきました。同時に、食欲不振(内臓の機能低下や自律神経の乱れ)にもアプローチしていきます。さらには腰回りのかたさをとってリハビリへつなぎます。


理学療法士によるリハビリでは、



「母指球(足の親指の付け根)にのるイメージをもててきた、またちゃんとそこに体重をのせられているかいないかの違いが判ってきた」



との河合さんからの嬉しい報告から施術開始しました。


足首の外側への動きを邪魔していく筋肉(後脛骨筋)が過剰に働いているとみられ、振動刺激をあててほぐしていきます。 


前回お伝えしたーまずは健側である左で正しい感覚を理解してもらい、その感覚を右でもまねていくこと(健側である左足を先生にしていく)-にも取り組んでいると手ごたえを感じているご様子です。


以前と比べて、右足内側に体重がのるようになり、重心に変化を感じている…と語る河合さんの歩行動画をチェックしていくと…健側側の左足の課題が発覚しました。恐らく病前からの癖で左足(健側)が変な方向を向いてしまっているとのことから、しっかりと鏡を見ながらトレーニングを行い、しっかりと足裏がついて歩けるようになっていきました。


 


 


■リハビリ4回目


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4回目


3回目で発覚した健側・左足の癖…その動きから修正していきます。


そして、いよいよ鏡を使用して、運動をあたかも麻痺側で行っているかのように脳をうまく“だます”リハビリ=【 ミラーセラピー 】を実施してみました。「私、単純!騙されやすい!」と、ご自身でおっしゃる河合さんですが、さすが女優さん!感受性の強さが良い結果をもたらしました。


その後は、さらに電気で筋肉を刺激しつつ、足の先を外に向ける訓練を行うと、徐々に足首が動き出しました。


※【 ミラーセラピー 】についての補足説明


脳の障害により麻痺側の手足が動かせなくなってしまうと、 「どのように麻痺側に力を入れたらいいのか?」「どのように関節が動くのか?」など イメージすることが出来なくなってしまうことがあります。 その結果、目的の運動をどのように頭で命令したらいいのかわからなくなってしまいます。 その命令の方法やイメージを取り戻すための練習の一つがミラーセラピーです。 あくまでも臨床的な観点からですが、 ミラーセラピー実施後に「麻痺側の手が動きそうな気がする」「どこに力を入れたらいいのかわかってきた」「頭の中で動きをイメージできる」などの変化がある方には有効だと考えられます。実施後のお身体の反応により、継続するか判断することをお勧め致します。


 


 


■リハビリ5回目


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5回目


前回相性の良かった"脳に勘違いをさせる" ミラーセラピーと電気刺激により可動域の広がった足首を歩行動作に紐付けるリハビリを行っていきます。


歩行訓練の際、麻痺側の右足が短く感じ、足が地面に届きにくい様子の河合さんでしたが、正しいステップ動作を繰り返し訓練すると…まるで足が伸びた?!ようにうまくいくようになりました。左足を強化し、重心移動をしっかりできるようにすると、スムーズに足が出るようになった、というのがからくりでした。


結果、歩幅も広がりました、膝折れもなく踏み出しが安定。歩行スピードも速くなりました。


リハビリの質はもちろんですが、正しい動きを繰り返して覚えるといった“量”をこなすことの重要性もしっかりと感じていただいている様子です。


 


 


■リハビリ6回目


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6回目


前回、麻痺側右足の踏み出しのコツを掴み、歩行速度、歩幅の改善を果たした河合さん。思い出した動きを定着させるため、ご自宅でもしっかりと復習していただいています。結果に大満足で、ご自宅での自主トレ中に今までの感想をお話しいただきました。



「病気をして動かし方を忘れてしまっていたのを思い出させてくれるリハビリ



今回も、正しい歩行動作定着のため、鏡を使った反復練習⇨歩行(動画撮影)⇨視聴してチェック⇨修正して再度歩行⇨チェックを繰り返しました。


さらに、トレーニングで、正しい動きを維持するために必要なお尻の筋肉を鍛えていきます。


 


 


■リハビリ7回目


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7回目


着々と歩行動作が良くなってきた河合さん。


歩行改善のためのチェック・修正・反復運動に加え、日ごろ使うサポーター・装具にも着目し、これまで通り麻痺側の右足につけるのか、健側の左足につけるのか、両方つけるのか、巻きの強さなど色々試してみました。サポーターを両側につけてみると左右の揺れが抑えられまっすぐに足がでやすくなり、接地(安定性)が増しました。一方で、足首が自由ではない感じがあったので、健側左足に着けることを優先してみるなど試行錯誤していきます。



自分の状況を客観的に見れる、毎回新しい発見・改善を実感している



と話してくださる河合さんですが、神戸センター独自の自主トレ管理シート『自主トレRUN』も、



さぼったらわかってしまう…自分がやらないと書けないし…深い…



とお褒め?!の言葉をいただきました。


 


 


■リハビリ8回目


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1009河合さん8回目サムネ


河合さんの歩行改善を目標にしたリハビリも1クール(16回)の折り返し地点に入り、中間カウンセリングを行いました。これまでの経過を振り返り、スムーズに出来るようになったこと、これからの課題を話し合い、今後のリハビリに役立てます。


毎回反復して訓練を行い、目標にしていた『モノを持ちながらの歩行』も、<家の台所から食卓までお皿を運ぶも2-3mだったらクリア!><坂道を、携帯を持ちながら歩けた!>と、少しずつ出来るようになってきています。


メンタル面でも、「(リハビリを改めて行うことで)色々なチャレンジしたい気持ちがでてきた」、と大きな変化がありました。


時間が経つとどんどん曲がってくる足の指に対して今後注力していくことも話し合いました。


 




後編[ リハビリ9回目~リハビリ16回目~特別編 ]へ続きます!


 → 後編を読む

カウンセリング付

脳梗塞リハビリセンター
特別体験プログラム

5,500円(税込)