脳卒中後のイライラや怒りっぽさは「高次脳機能障害」の可能性 ― 一度専門家に相談を

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  • 「脳卒中のあと、性格が変わったみたい」「些細なことで怒るようになった」…実は、それは“気のせい”ではなく、脳の障害による症状かもしれません。


 


脳卒中後、感情の変化に戸惑う家族が増えています


脳卒中を経験した人が、以前よりもイライラしやすくなったり、突然怒り出したりすることがあります。特に、発症前は穏やかだった人ほど、家族はその変化に驚き、戸惑います。


「前は優しい人だったのに、今は些細なことで怒るようになった」


「言い返すとさらに激しく怒鳴るので怖い」


このような声は、脳梗塞リハビリセンターにも多く寄せられています。


多くの家族は、「動けないストレスからだろう」と考えがちですが、実はこれは脳卒中の後遺症に関する誤解の一つです。


 


感情の変化は「脳のダメージ」によるものかもしれない


脳卒中の後は、脳の一部が損傷しているため、感情のコントロール機能も影響を受けます。そのため、脳が不安定になり、気分の浮き沈みが激しくなることがあります。


しかし中には、単なるストレスや一時的な情緒不安定ではなく、**「高次脳機能障害」**という脳の障害が原因となっている場合もあります。


 


高次脳機能障害とは?


高次脳機能障害とは、脳卒中や事故などにより脳の一部が損傷し、「考える」「話す」「覚える」などの認知機能や行動の制御に支障が出る状態を指します。


主な症状には次のようなものがあります。


 


代表的な高次脳機能障害の例



  • 失語症:言葉が出てこない、相手の話を理解できない、文字を読めない・書けない

  • 記憶障害:物の置き場所を忘れる、同じ質問を繰り返す、新しいことを覚えられない

  • 注意障害:集中力が続かない、ミスが多い、複数のことを同時にできない

  • 遂行機能障害:料理や家事の手順がわからない、計画的に行動できない

  • 社会的行動障害:興奮しやすい、暴言・暴力を振るう、自己中心的な行動、感情を抑えられない「易怒性(いどせい:些細なことで怒りっぽくなる)」や「感情失禁(怒ったり泣いたりと感情が急に爆発してしまう)」


 


放置は禁物


高次脳機能障害は自然に改善することは少なく、放置しておくと悪化する場合もあります。家庭生活や社会復帰に大きな影響を与えるため、作業療法士・言語聴覚士など専門職に相談することが重要です。


手足の麻痺が改善しても、このような感情のコントロール障害だけが残るケースもあります。そのため、「体は治ったのに性格が変わってしまった」と感じるご家族も少なくありません。


 


高次脳機能障害は放置しても自然には治らない


高次脳機能障害は、時間の経過だけで自然に改善することはほとんどありません。放置すると、家庭内でのトラブルや社会生活への復帰が難しくなることもあります。症状が続く場合は、早めに専門家の評価を受けることが大切です。特に以下のようなときは、一度相談してみてください。



  • 感情の起伏が激しくなった

  • 同じ話を何度も繰り返す

  • 計画的な行動ができなくなった

  • 理由もなく怒ったり泣いたりする


 


専門家によるリハビリで改善を目指す


高次脳機能障害に対しては、**作業療法士(OT)や言語聴覚士(ST)**などの専門職によるリハビリが効果的です。


リハビリでは、認知・記憶・感情の機能を再学習する訓練を行い、少しずつ社会生活の再適応を促します。


脳梗塞リハビリセンターでも、脳の機能回復を目的とした専門的なリハビリプログラムを提供しています。


身体の回復だけでなく、感情や思考のバランスを整えるサポートも行っています。


 


まとめ ― 「性格が変わった」ではなく「脳が助けを求めている」


脳卒中後に怒りっぽくなったり、感情のコントロールが難しくなったりするのは、性格の問題ではありません。


それは脳がダメージを受け、助けを求めているサインです。


 


ご家族が気づいてあげることが、改善の第一歩になります。


 


「もしかして高次脳機能障害かも」と思ったら、早めに専門家へ。


放置せず、正しいリハビリで再び笑顔を取り戻しましょう。


 




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