脳卒中リハビリに関する誤解 ~定義・制度・医学進歩から解説

- 「“リハビリ”と一口に言っても、病院や施設・サービスごとに意味合いや説明が異なり、戸惑った経験はありませんか?」
脳卒中の後遺症やリハビリについて「誤解」が多いわけ
脳卒中は昔から日本人に多い病気で、決して珍しいものではありません。
また、脳卒中による後遺症に対してリハビリを行うことも、多くの方が「当然」「必要なもの」として受け止めています。
しかし実際には、脳卒中の後遺症やリハビリに関して多くの誤解があるのも事実です。
なぜ誤解が生じるのか。その背景にはいくつかの要因があります。
リハビリの定義があいまいでわかりにくい
まず大きな理由のひとつは、「リハビリ」という言葉そのものがあいまいだということです。
リハビリテーションという言葉はもともと外国から入ってきた外来語で、厳密に対応する日本語訳が存在しません。そのため「リハビリ」という単語で示す内容は非常に広範囲にわたります。
- WHO(世界保健機関)の定義(1981年)
「リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。リハビリテーションは、障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促す全体として、環境や社会に手を加えることも目的とする。そして障害者自身・家族・そして彼らの住んでいる地域社会が、リハビリテーションに関するサービスの計画と実行に関わり合わなければならない」
- 国際障害者世界行動計画の定義(1982年)
「リハビリテーションとは、身体的、精神的、かつ、また社会的に最も適した機能水準の達成を可能にすることによって、各個人が自らの人生を変革していくための手段を提供していくことを目指し、かつ、時間を限定したプロセスである」
このように、定義の時点で医学・福祉・社会参加・環境改善まで含まれており、非常に幅広い概念です。
結果として、病院でも介護施設でも、民間企業のプログラムでも「リハビリ」と呼ばれるものがあるのですが、その中身は大きく異なります。
これが一般の方にとって理解しづらく、誤解の土壌となっているのです。
社会保障制度・医療体制の変化
2つ目の理由は、医療・介護に関わる制度や環境が絶えず変化していることです。
日本の健康保険・介護保険といった社会保障制度は、診療報酬改定によって2年ごとに少しずつルールが変わります。
また、国民医療費や社会保障費は増加の一途をたどり、国の財政を圧迫しています。
そのため国は支出を抑えるべく、入院期間や病院でのリハビリを縮小する方向に舵を切ってきました。
かつては脳卒中発症後に病院で長期間リハビリを行うことも可能でしたが、現在では同じことを望むのは難しくなっています。
つまり、過去の時代の感覚をそのまま持ち込むと、今では通用しないケースがあるのです。
「リハビリは十分に長く受けられるはず」「病院に任せておけば改善できる」という思い込みが、誤解につながってしまいます。
医学とリハビリ技術の進歩
3つ目は、医学の進歩によって過去の常識が覆っていることです。
以前は「一度失った機能は戻らない」とされていました。しかし現在では、脳の可塑性(新しい回路が形成される性質)や新しい治療・リハビリ技術により、改善可能なケースが増えています。
人体には未解明の部分が多く、新しい研究が進むたびに「これまでの常識」が見直されます。
例えば、生活期に入っても集中的なリハビリで機能回復が認められる例は決して珍しくありません。
誤解を放置せず「改善の可能性」を知ることが大切
このように、
- 定義が幅広く曖昧であること
- 制度や医療体制の変化
- 医学の進歩
という3つの理由が重なり、脳卒中リハビリには誤解が多く残っています。
だからこそ、正しい知識を持ち、改善の可能性を諦めないことが重要です。
まとめ
- 「リハビリ」という言葉の幅広さが誤解を生む
- 制度や医療の変化により、昔の感覚は通用しなくなっている
- 医学の進歩で「失った機能は戻らない」という常識は揺らいでいる
次回は、「病院のリハビリ」と「デイサービスのリハビリ」では目的が違うことを、具体的に整理して解説します。
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