リハビリMEMO: EPISODE➀ 僕が脳梗塞を発症した日のこと
『リハビリお役立ち情報のコラムを担当しているスタッフJSです。
この度、新しいコラムをスタートします。その名も、「リハビリMEMO」。
私自身もそうでしたが、脳卒中というのは、突然起こります。そして、気づいたころには以前とは違う身体になっている…脳卒中は誰にでも起こる可能性があります。しかし、起こりうる可能性について、少しでも知識を持っていると良いとは思いませんか?
「リハビリMEMO」では、脳卒中発症直後の様子から、その後の経過などを、私の体験をもとにお伝えしていけたらと思います。あくまで個人の経験とはなりますが、何かの参考になれば幸いです。
脳梗塞発症直後の記憶
発症当時は鍼灸専門学校の学生でした。いつも通り学校に行って、その日は友達とご飯を食べに行って、10時前に帰宅しました。その後11時過ぎに、就寝。
寝ていると身体に電気がながれたような衝撃がありました。ふと今何時かな〜なんて思いいつものように携帯電話を取ろうとしたのですが、手を思うように動かせず、取ることができませんでした。
これはなにかおかしいと思ったので、両親に伝えようと思い起き上がろうとしたのですが、それもできませんでした。
そこで、ベッドから転げ落ちるように降り、這いつくばるくように階段を登り、両親に自分の身体に起こった事を説明したのを覚えています。
MEMO:
手が片方だけ動かなかったのでこれはおかしい、と感じました。脳卒中では、顔や手足の左右どちらかだけに異変がでることが多いと言われています。顔のゆがみ(片側の口角が下がったり、左右対称でない等)や、片腕があがらない、しびれがある、普段持つことができていたものが持てない、などが起こると言われています。その他、ろれつが回らない・言葉やものの名前がでてこない・思った通りの返答ができていないなど言葉の障害がでることもあります。
動かない身体にショックを受けた救急病院(急性期病院)での日々
発症して、近所の病院に行ったところまでは覚えていますが、そこからの記憶は曖昧で、次になんとなくですが、覚えているのは、ICUからHCUに移ってからです。
HCUにいた頃は、本当になにもできませんでした。一番衝撃だったのが、声が出なかったことです。声の出し方がそもそも分からなくなってしまったというかなんというか??とても不思議な感覚でした。思っている事や伝えたいことを伝えられないのはとても辛かった。家族に小学生が50音を覚える時に使うあいうえお表のようなものを作ってもらいなんとか思っている事を伝えられましたが、ちゃんと伝わらない事も多く大変でした。
そのため、以前はおしゃべり好きでしたが、かなり無口になっていました。
また、飲み込む力が弱くなっていたため水分を摂るとむせてしまい、これも大変でした。下を向きながら飲み込むよう意識してみたり、一度に飲み込む量を変えてみたり、いろいろ試しましたが、なかなか改善せず…しばらくの課題でした。
また、右半身を中心に全体的に身体のほとんどが動きませんでした、、、右半身には痺れもあり全体的にだらんと力が抜けてしまっていて手を上にあげる事も握ったり開いたりすることもできませんでした。足もほとんど力が入らず動かし方も忘れてしまったような状態で、棒のようになっていました。
MEMO:
入院中、特に急性期病院にいる間は、自身の身体の状況を受け入れることがなかなかできませんでした。また、なってみないと知らなかったことですが、脳卒中発症後すぐに運ばれるのが救急病院(急性期病院)で、そこでは救命措置が主な目的となります。滞在できる期間にも、(発症からの期間と診療報酬などとの兼ね合いがあり)実は上限があります。