
片麻痺による歩行障害の特徴とリハビリテーションの重要性:脳梗塞リハビリセンター
「片麻痺は治らないの?」
「発症する前のように歩けるようになりたい」
「装具や杖を使わずに歩けるようになりたい!」
今回の記事は、脳卒中リハビリの歩行の悩みがある方のために作成しました。
最終更新日:2024年9月27日
片麻痺とは
片麻痺の定義
片麻痺は、脳卒中(脳梗塞/脳出血/くも膜下出血)などによる脳の損傷が原因で、体の半身が麻痺する状態です。
脳が損傷を受けて、損傷した脳がコントロールしている半身の運動・感覚機能が障害されることによって起こります。
脳卒中患者のうちの70%程が片麻痺を経験しています。
症状の種類
片麻痺の症状には、運動機能の低下や感覚障害などがあります。
またそれだけではなく、片麻痺は二次的に、筋力低下、知覚(感覚を区別する能力)の低下、それに基づく運動制御の困難など多岐にわたる症状を引き起こすことがあります。
片麻痺による歩行障害の特徴
歩行障害のメカニズム
片麻痺による歩行障害は、運動麻痺や感覚障害、それに伴う筋力低下、知覚(感覚を区別する能力)の低下などによって起こります。
様々な原因により運動の制御が困難になったり、バランスが悪くなることが主な原因です。
片麻痺患者は、これらの問題により、特徴的な歩行パターンを示します。
特徴的な歩行パターン
片麻痺患者の歩行パターンは、足を引きずらないようにするために足を大きく振り回す「ぶん回し歩行」や、膝が過伸展する「反張膝」などの現象が見られます。
「ぶん回し歩行」も「反張膝」は特徴的なパターンとしてよく知られていますが、元々の体の動きの癖や、発症後にどのようにからだを動かすことを繰り返してきたかによって、一人一人異なる歩行パターンになっています。
発症前は動かせていた関節が動かせない事によって、なんとか動きを補おうとする結果として生じる「代償運動」と言いますが、ほとんどの方になんらかの「代償運動」が見られます。
歩行リハビリテーションの重要性
リハビリの目的
歩行のリハビリテーションの目的は、歩行能力の改善と生活の質の向上です。
リハビリテーションは、健側・麻痺側の手・足・体幹の動きの評価や代償運動の分析と最適化、必要な筋力を出力・調整する能力を高めたり、バランスを改善したりして、歩行パターンの再学習をしていくことを目的としています。
歩行のリハビリテーションは片麻痺患者にとって極めて重要ですが、自分の身体の動きはなかなか自分ではわかりにくいものです。
その為、客観的に身体を観察して適切なフィードバックができる専門化と取り組むことは改善に繋がる機会になります。
発症する前のように歩けるようになる?
この質問はよくあるので詳しく説明します。
脳卒中の発症から間もない時期は、急性期・回復期と言われる時期です。
この時期には、脳の損傷の影響で一時的に活動できなくなっていた(損傷を免れた)神経細胞が再び活動し始め、飛躍的に機能が回復し、発症前と大差ない状態で歩けるようになる方もいます。
また、発症から半年以上の期間が経つと飛躍的な機能の回復は見られにくくなりますが、その中でも運動・感覚麻痺のある身体を今より効率的に動かす運動学習は試みることができます。
後遺症が残る場合「元通りにならない…」と、残念な気持ちになることもあると思いますが、諦めず今の体をより上手く扱えるようになるために前向きに取り組む選択肢もあります。
リハビリの進め方
片麻痺の回復状態は人それぞれ段階がありますので、リハビリは段階的に進めることが重要です。
最初は基本的な動作から始め、徐々に複雑な動作に取り組んでいきます。
例えば、初期の段階では、筋肉の出力調整やバランス訓練を行い、その後は歩行補助具を使って歩行訓練を進めたり、徐々に歩行補助具を卒業していくことに挑戦するなど、段階的に取り組むことで最終的に大きく改善される方もいます。
他の事例と比較したり当てはめるのではなく、一人一人の改善のペースや伸び代に合わせたアプローチが大切です。
専門的なリハビリ方法
専門的なリハビリ方法は、個々の患者の状態に応じて具体的な介入を行い、歩行能力を最大限に引き出すことを目的としています。
専門的なリハビリテーションには、理学療法士や作業療法士による個別性にあわせたプログラムが含まれます。
これには、健側・麻痺側双方の現状の動きの評価や最適化、必要な筋肉の出力調整や筋力強化、バランス訓練、歩行補助具の使用、認知的なアプローチなどが含まれます。
自宅でできるリハビリ方法
基本的なストレッチ
後遺症を改善するためには自分で自分の体を動かしてみることが重要です。
片麻痺のある方が自宅での基本的なストレッチを行うことは、後遺症のある自分の体の動きを再学習したり、各関節の動き方の学習や改善、筋肉の柔軟性と関節の可動域の維持や改善にも役立ちます。
強すぎるストレッチには注意が必要ですが、適切なストレッチは筋肉の緊張を緩和し、関節の可動域を広げる効果があります。
日常的にストレッチを行うことで、筋肉の状態を整え、リハビリの効果を高めることができます。
筋力トレーニング
正しい動かし方をリハビリスタッフと確認できたら、自宅では反復した筋力トレーニングをすることも運動学習に繋がります。
筋力トレーニングは片麻痺患者の筋力を強化し、歩行能力を改善するためにも役立ちます。
また、麻痺の改善の為だけでなく、筋力トレーニングは、シンプルに健康のためにもおすすめです。
正しい運動ができて少しずつ余裕が出てきたら、軽いウェイトや自重を使ったエクササイズなどで負荷を増やしていく際に用いると効果的です。
バランス訓練
バランス訓練は、片麻痺患者が日常生活での安定性を向上させるために重要です。
現状の身体の動きの癖を理解したり、体に備わっている自動的なバランス反応を高めたり、バランス感覚を向上させることで、転倒リスクを減少させます。
バランスをとれるようになるには、やはりバランスをとる練習が必要なので自分のレベルにあったバランスのエクササイズを考えましょう。
不安定な板は上に乗ることは自然とバランスのとり方を覚えることができるのでリハビリセンターでも活用されています。
リハビリに役立つツールと機器
歩行補助具の種類
歩行補助具は、片麻痺患者の歩行をサポートし、安全に移動するために重要な役割を果たします。
歩行補助具には、杖、歩行器、下肢装具などがあり、それぞれが歩行の安定性を提供します。
適切な補助具の選択は、安全に効率良く歩くための大切な選択肢のひとつです。
装具を外してあるけるようになりたい!
「装具を外して歩けるようになりたい」という声もよく聞かれます。
先程お伝えしましたように、前提として、適切な補助具の選択は、安全に効率良く歩くための大切な選択肢のひとつです。
とはいえ、入院中には最適だった歩行補助具も、改善とともに不要となってくる場合もあります。
ただ、専門家がいないと「このまま使い続ける必要があるのか」「外しても良いのか」判断に困るといった声も少なくないです。
普段使っている装具を急に外すと、足が予想外の動きをしてバランスを崩す危険があることもありますので、専門家と「装具が果たしている役割」を考えたり転倒のリスクを減らせるリハビリテーションの環境下で試す機会を作ると安心です。
下肢の装具についてはこちらの記事もご覧下さい
【リハセンナレッジ】装具とリハビリ|ニュース | <公式>脳梗塞リハビリセンター (noureha.com)
自助具の紹介
自助具は、片麻痺患者の日常生活を支援し、自立を促進するために有用です。
自助具には、簡単な道具から高機能な機器までさまざまな種類があり、片麻痺患者が日常生活を送るのに役立ちます。
片麻痺の歩行に関する自助具は、細かく調整が可能なインソールや、テーピング、体が固くて足元まで手が届かない方のためのリーチャーや靴下を履く為のソックスエイド、自助具とは言えないかもしれませんが、最近は踵が靴ベラ用になっている履きやすい靴などもあります。
装具を履いたまま履けるおしゃれな靴なども世の中にはあります。
これらも歩行の悩みを解決してくれる自助具と言えるかもしれません。
最新のリハビリ機器
最新のリハビリ機器は、片麻痺患者のリハビリ効果を向上させるために重要です。
リハビリ機器には、ロボット、トレッドミル、エルゴメーター、電気刺激装置、VR(バーチャルリアリティ)など、さまざまな最新技術が活用されています。
これらの機器は、リハビリの効果を最大化するために役立ちます。
ロボットでは、普段は介助量が大きくて歩けない方が装着して利用することで積極的に歩行練習を行えるものや、手や足の筋肉の微弱な筋電を感知して、それを機械が増強し筋肉の運動を促す電気刺激装置、VRではゲーム感覚で身体をうごかすことで楽しんでバランス感覚を鍛えられるものなど様々なものがあります。
脳梗塞リハビリセンターでも様々な最新のリハビリ機器をお試しいただけます
https://youtu.be/YMI4H-QJmtk?si=05Q-uLRyEb7-bY9W
リハビリテーション施設の選び方
リハビリ施設の特徴
適切なリハビリテーション施設を選ぶことは、片麻痺患者のリハビリの成功に直結します。
リハビリ施設の選択は、設備の充実度、専門スタッフの質、リハビリプログラムの内容に依存します。
一般病院でのリハビリが終了した後にも、専門施設でのリハビリを続けて、退院後に歩行能力が改善した方もいらっしゃいます。
保険外のリハビリ施設では発症から1年以上たってから利用し始める方も数多く、経験豊富な療法士による個別にカスタマイズされたリハビリプログラムに取り組むこによって改善を果たされる方もおります。
専門医の選び方
専門医の選び方は、片麻痺患者のリハビリの質を左右する重要な要素です。
専門医は、片麻痺の原因となる脳卒中や脳梗塞の治療に特化しており、リハビリプランの策定と進行を監督します。
経験豊富な専門医のもとでリハビリを行うことは、治療の効果を高めます 。
現在は医療も進歩しており、リハビリの土台作りを強力にサポートする再生医療の専門医などもおります。
施設の見学ポイント
リハビリテーション施設の見学は、施設の選定において重要なステップです。
施設の見学を通じて、設備の充実度、スタッフの対応、リハビリの環境を直接確認することができます。
見学によって得られる情報は、施設の実際の運営状況や雰囲気を知る上で重要です 。
今は様々なリハビリ施設があり、どこも見学や体験利用ができますので、複数のリハビリ施設を見学してみて、設備が充実し、スタッフの対応が丁寧な施設を選んで正解だったというエピソードや、見学をしただけでもリハビリに対するモチベーションが高まったという利用者の声も聞かれます。
お医者さんから見たリハビリテーション施設の動画もご覧ください。
https://bit.ly/3wZLamF
片麻痺患者の生活支援とアドバイス
日常生活の工夫
片麻痺患者の日常生活における工夫は、自立と生活の質を向上させるために重要です。
例えば、自分に合った福祉機器を活用したり、バリアフリーの環境を整える、使いやすい家具や道具を導入するなど一工夫するだけで生活がより良くなることもよくあります。
浴槽利用の福祉用具~脳梗塞の方に注意してもらいたいこと~の動画もどうぞ。https://youtu.be/qAiV4SKvUC4?si=kL-h3_ceR2Zyuw1l
介護者のサポート方法
介護者の適切なサポートは、片麻痺患者のリハビリと生活の質向上に不可欠です。介護者は、日常生活のサポートやリハビリの補助を行い、患者の自立を助けます。
基本的に介護者は、人の身体を動かす介助については経験がなく、最初はうまくできないものです。
専門家から適切な介護方法を学ぶことは、要介護者がより楽に動けることや、介護者自身の負担軽減にもつながります。
また、介護は短期的なものではないので介護者が“休息”“息抜き”をする方法を考える事もリハビリを継続していく上では大事です。
社会復帰のためのアドバイス
片麻痺患者の社会復帰には、段階的なアプローチと適切な支援が必要です。
社会復帰は、復帰の為の条件を明確にしながらリハビリの進行と並行して段階的に進めることが重要です。
病気の回復や後遺症の改善には時間がかかり、焦る気持ちもあると思います。そうした時は感情を表出する事も必要なことなので、専門家や家族と話す機会も大切です。
職場や社会環境に適応するための支援を受けることで、スムーズな復帰が可能となります。
歩行改善の成功事例
患者の体験談
片麻痺患者の歩行改善の成功事例は、他の患者にとって希望とモチベーションを与えます。
脳梗塞リハビリセンターでも日々多くの方が歩行改善を果たしています。
改善事例の動画を紹介します。
脳卒中後遺症の改善症例集
https://bit.ly/3R4xTA4
女優の河合美智子さんの発症からの改善動画は全国の多くの方へ希望を与える配信となりました。
https://bit.ly/3V7eaRo
成功に至るまでのプロセス
歩行改善の成功には、継続的なリハビリと専門家や家族の適切なサポートが必要です。
成功に至るプロセスを進めていくには患者の主体的な努力と支援者のサポートが不可欠です。
効果的なリハビリ方法の紹介
リハビリ方法の選択は、患者の具体的な状態に応じたものが必要です。
専門家の指導に基づいたエビデンスに基づくリハビリ方法は、改善の為に重要な役割を担います。
ストレッチ、筋力トレーニング、バランス訓練、歩行補助具の使用なども、それぞれ注意点がありますので、専門家の指導を受けながら正しく反復して継続することが大事です。
ストレッチを続けることで、歩行がスムーズになる方や、筋力トレーニングを通じて歩行能力を改善させた人、バランス訓練を行うことで、歩行時の安定性が向上し、転倒のリスクが減少する方など様々です。
よくある質問(FAQ)
リハビリの期間はどれくらいかかる?どのくらい良くなる?
リハビリの期間は、当事者の方の状態やリハビリの進行状況に応じて異なります。
発症から短期間でほぼ元通りになる方もいれば、1年以上かけて自分で歩けるようになる方もいたり、何年もかけて徐々に改善を重ねる方もおり様々なので、「どのくらいの期間が必要か?」という質問に答えることは簡単ではありません。
ただ経験豊富な専門家であれば発症からの期間や回復・改善の程度、ご本人様の心身の状態を評価して、ある程度は予後予測をすることができますので専門家とリハビリに取り組んでみると、より具体的な期間と伸び代も分かります。
伸び代があるものの、適切な運動学習の機会がないことで、残存機能を生かしきれていない方も多いと感じます。
脳卒中の発症は精神的なショックも大きいので、再び前向きに生きていこうと思えるまでに何年もの時間がかかることもあります。
そんな場面でも専門家や家族の心理的なサポートがあることは重要となります。
自宅でのリハビリの注意点は?
自宅でのリハビリは、継続性が鍵となります。
無理をしてしまうと、逆に症状を悪化させる可能性があります。
専門家の指導を受けながら、適切な方法でリハビリを行うことが重要です。
多くの方が、頑張りすぎたり、休み過ぎたり様々な経験をしながら自分なりの最適なリハビリのペースを見つけていきます。
どのようなサポートが受けられるか?
片麻痺のある方は、医療機関、リハビリテーション施設、介護サービス、家族のサポートなど、さまざまな支援を受けることができます。
また、介護サービスを利用して日常生活のサポートを受けることも可能です。
家族の支援も重要な役割を果たします。
後遺症の改善に向けたリハビリは?
公的な保険制度を利用して様々なサポートをうけられますが、後遺症の改善に向けてのリハビリの機会は保険適応の範囲では限られていることも多いです。
医療・介護保険は、短期間でできる限り自宅での生活を再開できることや、重症の方の介護度が上がらないようにするためのリハビリなどが重視されています。
ただ「後遺症を最大限に改善したい」という当事者の方の想いに応えることまではできていないという課題は残っている部分です。
そのため、最近は自費でのリハビリを利用して後遺症の改善に向けて取り組む人も増えています。
改善を諦めない「脳梗塞リハビリセンター」
脳梗塞リハビリセンターは「完全マンツーマン」で最短で最大の改善を目指す自費の通所型施設・訪問リハビリです。
利用者様の8割以上の方の身体機能が改善するリハビリには以下の3つのポイントがあります。
①ひとりひとりの症状や目標に合わせたオーダーメードのリハビリ
ひとりひとりの症状に合わせ、10万回以上の施術経験をもとに、リハビリと鍼灸の成果を見える化。
改善までの期間と費用を明確にしつつすすめていきます。
②リハビリのプロ(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、鍼灸師)がチームで対応
技術向上のために研修センター等で日々、研鑽を重ねています。
580時間以上の社内研修に加え臨床経験・知識も豊富なリハビリのプロがチームで対応しています。
③1回120分、完全マンツーマンの施設リハビリと、日々の在宅課題で効果最大化
完全マンツーマンで行う施設リハビリと、日々の在宅課題を組み合わせ。
ひとりひとりの目標に向けて十分な量のリハビリを提供し効果を最大化します。
どこまで改善見込みがあるか知るためには、プログラム体験を受けてみることもおすすめです。