脳卒中後の麻痺による生活の変化と住宅改修

Tsuruno


(監修: 脳梗塞リハビリセンター 理学療法士 鶴埜 益巳)


■住宅改修が必要な理由とその医学的、社会的サポート体制


脳卒中になってお身体に麻痺が残ると、病院でリハビリを頑張っても、病前と全く同様のやり方で自宅での生活や外出などができなくなる場合があります(今回、高次脳機能障害については触れず、お身体に認める麻痺を中心とした内容となります)。


そのため、装具が処方されたり、杖などの補装具を利用したりするだけでなく、自宅に専用の道具や機器を導入したり、住宅そのものを改修したりする場合があります。


麻痺などの後遺症の状態は個々で異なり、また住宅や介護者、ライフスタイルも個別性が高いため、入院する病院の医師やその他の医療従事者が退院前に自宅へ訪問して、必要な指導が行われます。


改修に必要な費用は、介護保険や居住地域の行政制度など様々な社会的サポートがあり、上記の指導に併せて医療ソーシャルワーカー(MSW)などから説明が行われ、状況に応じて全額から補助程度の額が受けられるのが一般的です。


 


■杖や装具で歩ける方の住宅改修のポイント


今回、自宅で歩ける方を対象に広く教科書的にいわれる住宅改修のポイントを簡単に解説します。杖や装具で歩けるくらいの方は、麻痺した足だけでのバランスや、立ち上がったりすわったりのタイミングがとりにくくなります。また、疲労や寝起きなどの影響によって変動するため、麻痺のない手を補助として利用したり、その動作を補助する機器を導入したりする必要があります。機器の導入よりも手での補助が簡便なため、安全に体重を支えられる手すりの設置が広く行われます。ただし手すりは物理的に出っ張るため、場所によっては空間を狭くしてしまうため、同居家族との折り合わせが必要となります。


 


・最も優先度が高いトイレ


自宅で生活する上で、トイレでの排泄は尊厳や介護者の負担を考えると、1人でできるのが望ましいと考えられます


トイレを利用するには、方向転換を含む歩行のバランス、立位でバランスをとりながらズボンや下着を上げ下ろしする操作や扉の開閉、便座に合わせて上手に座ることが要求され、またそれらを尿便意の状態に合わせた時間的、心理的な制約がある中で正確に行う必要があります。


そのため、方向転換や着座、立位バランスをサポートし易く、また邪魔にならない位置に手すりが設置されます


夜間は頻度や安全性などに配慮して、ベッド周囲にポータブルトイレや集尿器を配置することもあります。


 


・ベッドの位置変更と周辺整備


ベッドは椅子と比べて座面が柔らかく、立ち上がるタイミングがよりとりにくいため、介護用ベッドに設置できる手すりを使う場合が多いです。


ベッドは元の居室ではなく、リビングに配置されることも多く、立って移動する際に、動線が壁の遠いオープンスペースとなるため、必要に応じて天井と床で突っ張るタイプの手すりを設置したり、安定した家具を配置したりする場合があります


また足元の絨毯やラグを取り除いてフローリングにし、配線などを整理する必要もあります。


前述のように夜間に限ってポータブルトイレなどを配置する場合もあります。


 


・装具を外す上に、足元の悪い浴室


毎日浴槽につからなければならないとの価値観を有する場合、大変重要な場所となります。


しかし、浴室は足元が悪く、さらに装具を外す必要があるため、移動には手の補助の重要度が高まり、動線を整理してグリップの良い手すりをくまなく配置する必要があります。


身体を洗うのを座って安全に行う必要から、また立ち上がり易い、高さのある専用の椅子が必要になります。


浴槽の利用にはさらに浴槽の出入りや立ちしゃがみが要求されるため、専用の道具、もしくは機器が必要になります。


 


・狭く扉の開閉が大変な玄関


歩ける場合、手の補助があれば段差の昇降は可能であることが多く、また装具を装着している場合は足関節の動きが物理的に制限されるためにスロープの上を歩くのは難しくなります。


玄関の上がり框(かまち)が高くて一気に上り下りが難しい場合は、高さを分割する目的で踏み台を置き階段のようにします。


玄関に椅子を置き、座った状態で靴を履くと安全です。


扉はセキュリティーの観点から頑丈に作られているために重く、その開閉操作に麻痺のない手を使いますが、開きに応じてステップが要求される場合があり、操作しながらバランスの補助が手に要求されることになります。そのため扉の開閉の前後にバランスを整えるための手すりを設置する場合があります


 


とにかくご自宅での生活は安全第一です。安全性が確保された中で、しっかり毎日活動することが機能低下の予防につながります。もしリハビリで日常生活が改善すれば、医師などの専門家と相談して再度環境を変更する、もしくはこれまで使っていたものを使わないくても、大丈夫になる可能性もあります。くれぐれも自己判断せず、専門家と相談しながら、日々アクティブに生活しましょう。


 




■玄関改修についてもっと詳しく


建材や住宅設備などを幅広く扱い、住関連サービスを提供する株式会社LIXIL協力の元、脳卒中による片麻痺の後遺症がある方や、
後遺症により車いす生活となった方の暮らしを変える商品【玄関ドア用電動オープナーシステムDOAC】について、インタビューと調査を実施しました。


 


<LIXILショールーム体験インタビュー>


脳梗塞リハビリセンターご利用者様が、介護・福祉系の展示会に行った際に興味をお持ちになり、取り付けを決心されたという【DOAC】についてインタビュー協力くださいました。


(撮影及びインタビュー:LIXIL立川ショールーム/インタビュアー:脳梗塞リハビリセンター理学療法士 鶴埜)


 


MT様



  • 50代男性

  • 脳梗塞を2014年に発症

  • 介護度:要介護3

  • 身体障害者手帳1級

  • 住居:奥様・娘さん・お母さまとの4人暮らし(戸建て・二世帯住宅)


 



MT様は、約7年前、46歳の時に脳梗塞を発症され、左半身麻痺の後遺症があり四点杖を使って歩行されています。
屋内用と屋外用で使い分けている車いすを使用することもあります。
リハビリを通じて麻痺、歩行の改善に取り組まれています。


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リモコン操作で簡単に開いた!と思わず笑みがこぼれました


 



本日はお時間いただきありがとうございます。
最初にDOACについて知ったのが展示会だったと伺いました。



昨年、知人に誘われて行った展示会でこの商品を見て、自動で自宅のドアが開くようになるなんてすごい!と思いました。
今後必要になると思って工務店に見積を取ったのですが、パンフレットを無くしてしまい、今年も展示会に探しに行ったくらいです。



 


そうだったんですね。どのあたりがすごいと思われたんですか。



一番いいな、と思ったのは、外から開ける時はもちろんなんですけど、中から来客や宅配の人がきた時のことですね。
リモコンで中からあけられるというのが便利。これまで、車椅子で玄関まで行って、マジックハンドを伸ばして鍵を開けて・・・みたいなことをしていたんだけど、ちょっと焦ったりするとバランス崩して車いすごと玄関の段差をおちそうになったこともあって。今はそれで出来ているけれど、歳を取ったら手も伸びにくくなるかもしれないし。



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家に入る時のことでいうと、左が麻痺していて、右手で杖をもっているので、外から帰ってきてドアを開ける時は、杖を離して鍵に手を伸ばし、重い扉をあける動きが、バランスがとりにくく大変なんですね。中に入ってドアを閉めるのも大変なので、杖をドアノブにひっかけてひっぱりつつ、ドアに身体を押されながら入ります。上がり框(かまち)に、のぼりやすいよう台もおいているので、おっとっとって感じ。重いドアなんで、怖いな、と思うときある。それがなくなるのは大きいです。今のところ大丈夫だけど、人が見ていたら「あぶない!」と思うようなことを毎回やっている自覚はあります。



 


なるほど。だいぶ玄関の開け閉めで無理な姿勢をとっていたところが解消されそうですね。



自分みたいな病気で後遺症のある人にはとても便利だと思いますね。



 



DOACを取り付けるにあたって、確認したいことありますか?



扉が開閉するだけなのか、鍵をしめるのもやってくれるの?ってこととリモコンの数かな?



 



(LIXILの方)扉が開閉するだけでなく、鍵の開閉までできます。
リモコンもご家族分用意することもできるし(※オプション)とか、スマートフォンの方はアプリを入れていただいてそれでリモコンの代わりにもなります。



ああ、それはいいね。家族にもこういうのがないか調べてみたら?と言われていたんです。「転んだらどうするの、1人でたてないでしょ!」って。



 


やはり家族の方も心配されていたんですね。実際に、改めて体験してどうでしたか?



やっぱり便利だな、とおもって、これが玄関につけられるのはうれしい。あと結構ゆっくり開閉してくれるので安心だね。



 


(LIXILの方)速度も設定で変えられます。


 


ご家族もよろこんでくれそうですか?



私が安全に開け閉めできるようになることは喜んでくれるし、家族も買い物帰りとか便利だと思うよ。二世帯住宅だから母専用の玄関もあるんだけど、内側でも繋がっているので、DOACを取り付ける扉で出入りするようになるかも。扉重いし。



 



これまでどんな住宅改修を行ってきましたか?



手すりをつけましたね、トイレと廊下とお風呂と玄関。2階建てなんだけど、2階には行っていなくて、1階リビングで主に暮らしています。玄関に置いてもらった段差解消の台は大工さんに作ってもらいました。その一段を上って、玄関に置いてある車いすに座って靴を脱いだりしています。それからトイレも最初は手動で流すやつで、どうにか手を伸ばして流していたんだけど、壊れたのをきっかけに自動洗浄にしたらすごく便利になりました。手を離したり方向転換するのはバランスを崩しやすいので。



 


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DOACは、戸建て住宅の鍵とドアはそのままに、部品を交換するだけで自動ドアへ変更できる商品です


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上部に取り付けるモーター


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リモコンで簡単に開閉ができます


 


お見積りをとって、費用についてはどう思われましたか?



まあ、安くはないよね。でも便利、値段以上の価値はあるよな…と葛藤していました。


 



(LIXILの方)障害者手帳をお持ちなら、MTさんは50代なので、日常生活用具給付が使えます。60代になると介護保険に切り替わってしまい助成を受けられなくなってしまうんですけれど。



そうしたこともみんな知らないよね。



 


MTさんはリハビリも頑張っていらっしゃるので、今はまだ自力で出来るから…と扉の検討にも時間をかけられていましたが、結論としては、怪我してからでは遅いし、毎日のことなので、安全に出入りできるDOAC取り付けを決心されました。



後付けで自動ドアにできるのは画期的だし、展示会で知らなかったらずっとドアに押されながら屋内に入って、マジックハンドであやういバランスでドアの開閉をしていたかもしれないです。こんな便利なものがあるよ、って伝わるといいなと思います。



 


ありがとうございました。取り付けが楽しみですね。(取り付け工事は一日ほどで完了予定です)


 




DOACとは…


今の玄関ドアや鍵はそのまま、後付けで簡単に❝自動ドア❞へ変えられてみんなが快適になる新しいバリアフリー製品です。


DOACセット: ¥228,000~(税込/工事費別)


Fireshot Capture 018   製品特長   Doac(ドアック)|電動オープナーシステム|lixil   Www.lixil.co.jp


スマホやリモコンで鍵の解錠・施錠からドアの開閉まで自動で操作できます。


※スマホ、リモコン共に8台まで登録が可能です。


【オフィシャルサイトはこちら】


※商品の使い方や購入方法については、上記のDOACオフィシャルサイトからお問合せください。オフィシャルサイトでは、取付けに関するご相談から工事のお見積りまで無料で承っています。


 








~もっと早く知りたかった!の声続出~


リハビリに励む53名のDOAC認知度調査結果


(調査協力by脳梗塞リハビリセンター)


自費リハビリ施設『脳梗塞リハビリセンター』のご利用者及びそのご家族(20~70代)53名へ記述式および聞き取り式で「DOAC」の認知度などについて調査を実施しました。



  • 対象者は「DOAC」設置の要件となる“持ち家一戸建て居住者” 

  • リハビリを要する原因となった病気: 脳出血(30名)・脳梗塞(18名)・くも膜下出血及びその他(5名)


 


“後付けできる玄関の自動ドア”があることを知っていましたか



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DOACの価格についてどう思いますか


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どんな人によさそうですか



  • 車いすユーザー

  • ベビーカーの操作や荷物の多い、子育て世代

  • 介助者(介助量軽減に役立つ)

  • ドアの開閉が大変な(上肢の)力のない方

  • 子供や高齢者といった目が離せない人と行動する時

  • これを付けちゃうとリハビリにならない

  • 自分たちのような脳卒中の人には必須

  • 高齢者には絶対に便利

  • 老々介護には必須。(当事者、介護者ともに)今後年取ったら欲しい



今後への期待・意見をお知らせください



  • ドアとともに段差解消の提案が必要

  • リモコンの色がもっと派手な方が良い

  • リモコンが大きいと無くさなそう

  • 後遺症の有無にかかわらず今後間違いなく普及する

  • 新築するなら玄関周りを考えてバリアフリー化のため必須

  • もっと広めた方がいい

  • 室内ドア(トイレなど)への設置ができるとよい

  • 自宅改修前に知りたかった

  • 制度上ヘルパーさんは鍵を預かれないので絶対に便利


 


リサーチ担当者より


動画やパンフレットを用いた簡単なご説明だけで大変好評を得ました。
自宅改修前に知っていたら…のお声や、車いすやお身体に不自由のある本人だけでなく介助者にとっても非常に便利であるとの声をいただきました。
今後、多くの方に情報として知って頂けるように努めてまいりたいと思います。


 




<医師より>


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金子 俊之 先生


順天堂大学附属順天堂医院 膠原病・リウマチ内科助教


医療法人社団 松寿会 理事長


脳卒中後の片麻痺や車いすを利用している方、リウマチや加齢で杖をついて歩行している方など、日常生活で外出に苦労されている方にはぜひ使っていただきたい製品です。外出時のハードルが下がることは、心理的にも良い影響を与えられると思います。
                   


 


 

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