【リハセンナレッジ】もっと知りたい「脳梗塞リハビリセンター」の鍼灸のこと(Q&A)

今回の回答者:脳梗塞リハビリセンター 鍼灸師 森田氏




「脳梗塞リハビリセンター」の鍼灸治療に関する質問にお答えします。




◆Q1:鍼とお灸。効果に違いはあるの?


A1:


それぞれ刺激の伝わり方が異なるだけで、効果に違いはありません。ツボに刺激し、神経や筋膜、皮膚から自律神経を整えて自己免疫力を改善させていきます。鍼と灸は併用することで相乗効果が生まれます。


 


◆Q2:刺さないタイプの鍼もあると聞きました。刺す鍼と刺さない鍼では効果に違いはありますか?


A2:


決定的な違いは、深い筋肉へのアプローチが”できるか・できないか”、です。刺さない鍼では”できなく”なります。しかし、自律神経の調整は受け手の敏感度合いであるため、刺さないタイプの鍼による皮膚刺激だけでも治療効果を出すことはできます。


脳卒中の後遺症の場合は、深い筋肉が問題であることも多いため、迷われている場合は「刺す手技」を試してみることをおすすめします。


 


◆Q3:置き鍼は自分で外していいの?


A3:


置き鍼は治療効果を長く持続させるために数日程度貼り続けることもありますが、「脳梗塞リハビリセンター」での鍼灸・リハビリから帰宅後、ご自身・ご家族様が置き鍼を外していただいても大丈夫です。特に、痛みや痒みが出た場合、違和感がある場合は外して下さい。


外し方や廃棄の仕方については担当の鍼灸師にご相談ください。


 


◆Q4:肌荒れやアトピー性皮膚炎があります。リハセンで鍼灸を受けて良いのでしょうか?


A4:


大丈夫です。肌トラブルに関しては肺や腸内環境の乱れが原因であることも多く、鍼灸での施術や生活指導の面からもお助けできます。


 


◆Q5:正直、鍼灸が苦手です。できれば受けたくないのですが。


⇨A5


「鍼は痛そう」「鍼で刺されるのが怖い」という理由で受けたくないと思う方がほとんどではないでしょうか。私の所属している「大宮センター」でも新規利用者様の約8割以上が鍼灸治療を受けるのが初めてで、鍼治療を怖がられます。


鍼灸の必要性をお伝えさせていただき、できるだけリラックスできる環境を配慮しながら受けていただくと「え? もう打ったのですか!?」と驚かれる利用者様が多いです。


つまり痛みはほとんどありません。


しかし、受けてみても「私は刺激に敏感で、どうしても痛い」という場合は、刺さない鍼での対応ができますので、遠慮なく担当の鍼灸師にお申し出ください。


 


◆Q6:リハセンの鍼灸の時間にやってもらったことを、自分自身で家庭用の鍼を使って治療してもいいですか?


⇨A6


ご家庭の鍼(針)を使って類似したことを行うのは危険を伴いますので絶対に止めましょう。


脳梗塞リハビリセンターの鍼灸師は、鍼灸の学校で最低3年間、知識と実技を学び、国家試験に合格して「はり」「きゅう」の免許を得たのち、脳卒中後遺症の臨床経験を積んだ上で、ご利用者様の鍼灸治療を担当させていただいております。


素人による誤った鍼治療では、胸部や背部に深さを間違えると肺が潰れる気胸(ききょう)が起こることもあります。鍼灸のプロならば、このような知識・技術・経験の不足による誤った治療行為は行いませんのでご安心ください。


鍼灸師が使う鍼は滅菌しているものを使用します。脳梗塞リハビリセンターでは滅菌済のパックから施術の直前に鍼を取り出し、毎回使い捨てで施術しています。ですので衛生面もご安心いただけます。


ご自宅で、ご自身・ご家族様で行えるセルフケアは、ドラッグストアや販売サイトなどで入手できる「灸」や「家庭用貼付型接触粒」などを使用するとよいでしょう。


脳梗塞リハビリセンターでは、セルフケアに適したお灸や家庭用貼付型接触粒の製品の選び方、ご利用者様の後遺症の症状改善と個々のお悩みに合わせた的確なツボの種類や場所を、担当鍼灸師がお一人おひとりに丁寧にお伝えします。センターでの鍼灸治療と合わせて、自宅でもセルフケアを行っていただくと改善効果がより高くなります。


 


◆Q7:麻痺や痛みの改善以外にも、鍼灸の効果はありますか?


⇨A7


鍼灸により、脳卒中の再発の予防に対するアプローチが出来ます。一度脳卒中を発症されると再発のリスクが高くなります。二度・三度と再発してしまうと体の状態は格段に悪くなるため、改善と同じくらい「予防に対する意識」もとても重要です。


鍼灸に代表される「東洋医学」の思想は自律神経の調整ができますので、脳梗塞リハビリセンターの鍼灸治療では「改善に対するアプローチ」と同時に「予防に対するアプローチ」も行わせていただいております。


また、不眠や便秘、頻尿といった生活の質に関わる症状を改善することでリハビリを継続しやすくするのも鍼灸の効果です。


 


◆Q8:脳梗塞リハビリセンターの「60日間改善プログラム」は、なぜ「週2回のペース」で通うことを推奨しているのですか? リハビリだけでなく、鍼灸も週2回が良いのですか?


⇨A8


鍼灸治療を始めた初期は、元の状態に戻るスピードが早いからです。これは脳卒中の後遺症の改善だけでなく、全ての疾患に言えることでもあります。腰痛を例にあげると、治療を始めたときは調子が良くなっても直ぐに痛みが戻ります。最初に治療頻度を上げておき、調子が良くなるにつれて間隔をあけていくことが最善なのです。


施術での改善効果が残っている間に次の施術ができることが少しずつの改善に繋がります。


 


■解説者プロフィール :


脳梗塞リハビリセンター 大宮 鍼灸師


森田遼介


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学歴:2012年 呉竹医療専門学校本科卒業


国家資格:2012年 はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師 免許取得


職歴:
2012年 はりきゅう小田原治療室、金子マッサージ 入社
鍼灸流派の一つである「経絡治療」で全国的に有名な先生のもと、昼間は勉強をさせていただきながら夜間は箱根の旅館を回りマッサージで生計を立てる。


2014年 株式会社メディカルハンド 入社
業界会社セリアジョブ代表取締役から "東京でマッサージNo.1" という紹介で入社。鍼灸・マッサージ共に指名No.1を3年間維持する。


2017年 ~現在 株式会社ワイズ入社後、脳梗塞リハビリセンター大宮に勤務
研修指導や東京パラリンピック出場を目指す反町公紀選手のボディケア担当をはじめ、多くのご利用者さまに鍼灸+リハビリの組み合わせで変化を感じていただけるよう邁進中。


 


監修協力:


■脳梗塞リハビリセンター 教育担当 鍼灸師 


石上邦男


学歴:
1994年 早稲田大学教育学部英語英文科卒業 
2009年 花田学園日本鍼灸理療専門学校卒業


国家資格:
2009年 はり師・きゅう師 免許取得


職歴:
2009年 横浜市青葉区にはりきゅう治療院sootheを開設


来院とデイサービスなどへの出張を併行して、脳卒中後遺症と様々な随伴症状の改善に従事。


2015年 脳梗塞リハビリセンター(株式会社ワイズ)入社


脳梗塞リハビリセンター研修センターにて鍼灸技術研修を担当。
利用者さまの快復に少しでも益する鍼灸師の育成とはり・きゅうの普及に格闘中。


脳梗塞リハビリセンター 鍼灸部門統括 鍼灸師 


宮澤勇希


学歴:
2016年 日本工学院八王子専門学校 医療カレッジ鍼灸科 卒業


国家資格:
2016年 はり師・きゅう師 免許取得


職歴:
2016年〜2019年 楊中医鍼灸院 就職


中医学を用いて皮膚疾患、婦人科疾患、精神疾患など幅広い疾患の治療を専門して体質改善を目指し治療、臨床経験を積む。研修生への研修講師を務める。
心理カウンセラー資格 取得


2019年〜現在  株式会社ワイズ入社後、脳梗塞リハビリセンター立川店勤


2021年 鍼灸部門統括 就任




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