自己チェック
基本的に、脳梗塞は何の前触れもなく起こるものですが、予兆がある場合もあります。
予兆というのは誰にでも起こるものではありませんが、脳梗塞の予兆に関しての知識をもっていれば、事前に気がつくことができます。脳梗塞の治療は医療技術だけではなく時間との勝負、という部分もありますし、早く予兆の段階で治療をすれば障がいを残すことなく完治させることも可能です。
脳梗塞の予兆に気づくための自己診断項目はいろいろありますが、代表的なものだと米国脳卒中協会が提唱しているFASTというものがあります。FASTとは、Face(顔)、Arm(腕)、Speech(言葉)、Time(時間)のかしら文字を取った略語で、この4つの項目の症状を覚えておくと自己判断に役立ちます。
脳梗塞の予兆でもっとも多いのが麻痺やしびれなどの症状になります。そしてこの症状が出やすいのが顔や腕、言葉になり、突然機能だけ失われたり、筋力が著しく低下します。この症状は数分で治まることが多いため、疲れや体の不調としか思わないで放っておいてしまうことが多く、脳梗塞の早期発見ができないのです。
しかし、顔や腕、言葉などに異常が起こった場合、例え短時間しか症状が出なくても予兆ということがあります。
もうひとつ重要なのが時間ですが、これは異常が起きた時刻をきちんと把握するということです。
脳梗塞は時間がたてばたつほど重度の障がいが起こってしまい後遺症も重くなるので、自己診断項目をしっかり覚えておくと同時に、適切な治療を受ける何時に症状が起こったかを確認して覚えておくことも重要なのです。