ご利用者さまへの「食」に関するアンケート
脳梗塞リハビリセンターを利用する脳卒中後遺症の本人及びご家族に対して行った食や栄養に関する聞き取り調査レポートを掲載しています。
脳卒中における食・栄養に関する簡易調査の結果
脳梗塞リハビリセンターを利用する脳卒中後遺症の本人及びご家族(N=49)に対し、食や栄養に関する簡易聞き取り調査を行いました。
調査対象
- 対象人数:49人(本人36人、家族13人)
- 年齢:30代~80代
- 性別:男性28人、女性21人
グラフ考察
- 75%の方が食事や栄養に関する困りごとを抱えている。
- 後遺症を抱えている本人よりも、家族の方が困りごとを抱えている割合が多く、90%以上となっている。
- 困りごとの内容は、「栄養管理」「体重が増えてしまった」「食事を楽しめなくなった」などが多かった。また、味覚が変化してしまったり、麻痺のために買い物や飲食店に入りづらいなど、脳血管障害後遺症ならではの多様な困りごとが散見された。
脳卒中発症後、現在に至るまで食(料理、栄養、調理法など、)について困ったことはありますか?
具体的にどのようなことに困りましたか?
具体的な困りごとの内容を見ると、栄養管理の方法がわからず、わかっていても体重管理の困難さや、食事内容の制限や箸・スプーンなどが上手く使えない、喉がむせるなどの身体的な問題も含めて、食事が楽しめなくなってしまったという問題点が浮き彫りになった。
回答内容
- 運動量が減り、体重も落とさなければいけない状態なので、その中でどんな物を食べたらいいのか、どんなことに気を付けたら良いのかが分からない。単にカロリーだけを抑えたメニューだとありきたりなメニューばかりになってしまってバリエーションが乏しい。バリエーションを知り、その中でも取らなければいけないようなものも分かると食事がもっと楽しめる。
- 発病後運動が出来なくなったうえ、満腹感を感じづらくなり食欲過多で体重が増えてしまった。
- 食べ過ぎないで何でも食べるようにしていますが、月の栄養管理が不安です。(栄養を考えるところまで至っていない。)その為、宅配弁当の注文をしている。
- 情報が多すぎるので困る。外食をして食べ過ぎてしまう。若い世代はカロリーを気にしているように見えるが、年になるとそこまで考える余裕がない。
- 以前に比べ、食べたいと思うものがなくなった。病気前は美味しいと思って食べていたものも、今ではそれ程美味しく感じなくなった。
- 麺類が食べずらい、魚はほぐさないと食べれないのが塩辛いものがむせやすい。
- 箸を持てないので、ほとんどが手掴みで食べられるパン食になった。
- 飲み込みがしづらいことがある。特に話しながらたべようとするとむせることがあるので、食事中は会話せずに食事に集中することが多くなった。寂しく感じることがある。
料理、栄養、調理法などで、こんな情報があると嬉しいということはありますか?
栄養を気にする一方で管理方法がわからないため、栄養管理指導を求める声や、食事制限や麻痺があるゆえに生じる制限があっても、食べることを楽しめるようなレパートリーが豊富であったり、デザートなど楽しく食べることができるレシピ情報やメニューの希望があった。
回答内容
- 太らない食物についての情報が欲しい。栄養指導を受けたい。(有料でも)
- 栄養指導があれば受けたい。おやつで予防が出来ることがあれば情報が欲しい。
- 脳卒中患者が積極的に摂取した方が良い食材や栄養素、塩分を気にかけたおいしいレシピが知りたい。
- メニューの組み立て、コンビニ食の組み立ての情報が欲しい。また発症後の食事の情報が欲しい。情報はあるだけ嬉しい。
- 使用可能な道具に制限のある中でも飽きない献立、栄養の偏りがない献立
- 薬と食べ合わせの悪い食材の詳細(理由、加工の有無は影響するのか等)
- 使用可能な道具に制限のある中でも飽きない献立、栄養の偏りがない献立
- レンジで簡単に1食分の食事が用意できるような食品
- 食事が取りやすくなるような道具(食器スプーン等)
今回の簡易調査で、脳卒中後の栄養管理・食事管理方法を中心に、ご家族の方を含め様々な困り事を抱える方に対する情報提供などのサポートが不足しているとても多い実態が浮き彫りになりました。
脳梗塞リハビリセンターではこうした声も踏まえ、今後のサービス開発に活かしていきたいと考えております。